「ビタミンC誘導体配合」の化粧品を良く見るけど、
本当に効果があるの?
どんな美肌効果があるの?
と思っている方が多いと思います。
そこで、
ビタミンC誘導体とは
ビタミンC誘導体の効果
ビタミンC誘導体のおすすめ化粧品
を説明します。
ビタミンC誘導体は、ニキビ、シワ、毛穴、美白など、さまざまな効果をもつスーパー成分です!
目次
ビタミンC誘導体とは?
まず、ビタミンC誘導体の基本を理解しましょう。
ビタミンCとの違い
「ビタミンC」 にはさまざまな美肌効果がありますが、ビタミンC は肌へ浸透しにくくそのまま化粧品に配合してもあまり意味がありません。
→そこで、ビタミンC を肌に浸透しやすく改良したものが、ビタミンC誘導体 です。
美肌効果の高い ビタミンC をなんとか肌内部に届けようと ビタミンC誘導体 が作られました。
肌への浸透率を高めた 「ビタミンC誘導体」 は美肌効果が高いです。
ビタミンC誘導体の基本については、こちらで詳しく書いています。
国も効果を認めています
厚生労働省に効果が認められている美白成分は13個ありますが、ビタミンC誘導体もその1つです!
ですので、ビタミンC誘導体が配合された化粧品は「医薬部外品」となり、他の化粧品より効果が高いと言えます。
(厚生労働省が薬用美白成分と認めた成分を配合した化粧品を「医薬部外品」と呼びます。)
では、具体的な肌への効果を見ていきましょう。
ビタミンC誘導体の効果
ビタミンC誘導体には、以下の作用があります。■コラーゲンの合成を促す
■皮脂を抑える
■シミの元となるメラニン色素を作る作業を邪魔する
■抗酸化作用
■炎症を抑える
このように様々な作用があるため、いろいろな症状に万能に効果があります。
詳しく見ていきましょう。
ニキビ
皮脂を抑える作用があるので、ニキビ予防に効果的です。
さらに、予防だけでなく、出来てしまったニキビの炎症 にも効果があります!
ニキビの炎症は、酸化された皮脂やアクネ菌が「活性酸素」を発生して悪化しますが、ビタミンC誘導体には抗酸化作用があり、炎症の元になる活性酸素を除去できるためです。
また、炎症を抑える作用により、ニキビ跡の赤み を抑える効果もあります。
→つまり、ビタミンC誘導体は、「ニキビ予防」、「出来てしまったニキビ」、「ニキビ跡」 すべてに効きます!
また、ニキビ跡が赤ではなくシミのように茶色に残る炎症性色素沈着にも多少有効です。
※乾燥はニキビを助長させてしまうので、ビタミンC誘導体の化粧水の上から保湿美容液を塗りましょう。
ピーリングや漢方もニキビに効果があります。興味がある方はご覧ください。
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美白、シミ
メラニン色素を作る作業を邪魔する作用があるので、シミの予防に効果があります。
予防的に使うものなので、季節問わず年中使って、シミの部分だけでなく顔全体に使いましょう。
ただ、できてしまったシミには残念ながら効果がありません。
その理由は、シミの元となるメラニン色素が作られるしくみを見ると分かります(下図参照)。
メラニンが作られる流れ
- 紫外線が肌に当たると、まず基底層にある「メラノサイト」つまり メラニン色素を作る工場 が活性化します。
- すると、メラノサイトの中で「チロシン」が作られる。
- そして、「チロシン」は「チロシナーゼ」によって、すぐにメラニン色素に変化する。
さて、ビタミンC誘導体には、「チロシナーゼ の働きを阻害する働き」があります。
でも、これは先ほど説明した工場の流れを邪魔する程度で予防にしかならないので、完成したシミには焼け石に水ということです。
ただし、次第に濃くはっきりとしてくるシミ(老人性色素斑のこと。ほとんどのシミがこれに当たる。)が、初期の薄い色のまま進行しないようにする効果はあります。
※ シミの根本から消し去るには、皮膚科のレーザーで工場を焼くのが一番確実です。
※ ソバカスは、遺伝的要素が強いためあまり効果が出ない。肝斑(かんぱん)には多少効果があります。
毛穴
皮脂を抑える作用により、開き毛穴(生まれつき毛穴の皮脂腺が大きくオイリー肌で赤ら顔気味の人に多い)に効果的です。
また、コラーゲンの合成を促す作用により、たるみ毛穴(加齢に伴い縦長のしずく型に広がる毛穴)にも効果的。
※ ただし、たるみ毛穴には、ピーリングやレチノール化粧品の方が効果があります。ピーリングとレチノールにもコラーゲンを増やす作用があるためです。ただし、レチノールは刺激が強いので敏感肌の方はピーリングやビタミンC誘導体がおすすめ。
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シワ、たるみ
ビタミンC誘導体のコラーゲンの合成を促す作用により、シワの悪化を食い止める効果 があります。
シワは、老化により真皮のコラーゲンなどが減少して起こります(下図参照)。
数ヶ月でシワやたるみが消えることはまずありませんが、放っておけば悪化するので少しでもビタミンC誘導体で食い止めましょう。
※ 額のシワには、額の皮膚が硬いのであまり効果が出ません。
※ ほうれい線は、他のシワより深いのであまり効果が出ません。
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たるみは、シワに加えてさらに皮下組織の老化も加わりより深く進んだものなので消すことは困難ですが、ビタミンC誘導体のコラーゲンの合成を促す作用により、たるみの予防が期待できます。
→ビタミンC誘導体は たるみ、シワ両方に効果があるため1本持っておくと重宝します。
くま
ビタミンC誘導体は目のくまにも効果があります。
一般的にくまと呼ぶものには「茶ぐま」「黒ぐま」「青ぐま」の3種類あり、どれもビタミンC誘導体の効果があります。
茶ぐま
茶ぐまとは、目の下のシミやくすみがくまのように見えるもので、目をこする人に出来やすくコンシーラーで隠せるのが特徴です。
→ビタミンC誘導体の「メラニン色素を作るチロシナーゼの働きを阻害する作用」により悪化を防げます
黒ぐま
黒ぐまは、皮膚に色はついていないのに、たるみによって黒く見えるくまです。
→ビタミンC誘導体の「真皮のコラーゲンの合成を促す作用」により、たるみを予防・改善して黒ぐまを薄くする効果があります。
青ぐま
青ぐまは、生まれつき皮膚が薄く、目の下の血液が透けて青黒くみえるタイプのくまです。
→ビタミンC誘導体の「真皮のコラーゲンの合成を促す作用」により、青ぐまの改善効果があります。
ビタミンC誘導体の種類
一口にビタミンC誘導体といってもたくさんの種類があり、化粧品の成分表示にはビタミンC誘導体とは表記されません。
ビタミンC誘導体には大きく分けて、水になじむ「水溶性」と、油になじむ「油溶性」のものがあります。
そこで、化粧品に最もよく配合されるビタミンC誘導体を4種類紹介します。
これらは、それぞれ 肌への浸透率 が異なり、浸透率が高いものほど効果が高いです。
↓浸透率が高い順に紹介します!
パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na
※ 別名:APPSもしくはアプレシエ
ビタミンC誘導体は「水溶性」「油溶性」のどちらかに分かれるのですが、この成分は両方の特性を併せ持っている新型のタイプです。水と油の両方になじむので、肌への浸透性が良いです。
その浸透率は、他のビタミンC誘導体より 数十倍も良く、イオン導入でしか届かなかった肌の奥まで浸透します。
ですので、ビタミンC誘導体の中でこれが最も効果が高いです。その高い美肌効果から今注目を浴びていて、クリニックのローションパックなどにも使用されています。
ドラッグストアで売っているような安い化粧水にはまず配合されていません。ドクターズコスメなどに配合されていて値段もそれなりに高いです。
刺激を感じにくく、肌質を問わずに使えるのも人気の理由です。
化粧品への成分表示は・・・
「パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na」
リン酸アスコルビル
こちらは水溶性の成分ですが、油溶性に近いため良く浸透するので効果が高いです。
1000円くらいの安い化粧水にはあまり配合されず、3000円以上くらいの化粧水によく配合されています。ドラッグストアにもリン酸アスコルビル配合のものが置いてあります。
マグネシウム型(リン酸アスコルビルMg)とナトリウム型(リン酸アスコルビルNa)があります。
化粧品への成分表示は・・・
「リン酸アスコルビルNa」
「リン酸アスコルビルMg」
「ビタミンCリン酸Na」
「ビタミンCリン酸Mg」
テトラヘキシルデカン酸アスコルビル
リン酸アスコルビルより浸透率は良くないです。
油溶性のビタミンC誘導体なので、オイルやクリームに配合されることが多いです。
乾燥肌の人に向いています。
化粧品への成分表示は・・・
「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル」
アスコルビン酸グルコシド
水溶性のビタミンC誘導体で、ドラッグストアに売っている1000円くらいの安い化粧水のほとんどはこれを配合しています。
そのため、ドラッグストア系化粧水に多用される最もポピュラーな成分と言えます。
でも、このタイプはビタミンCとしての美肌効果があるか疑問視する声も一部あります。
なぜならアスコルビン酸グルコシドをビタミンCに戻す酵素(α- グルコシダーゼ) が体内にあまり存在せず、グルコシド基が肌内部で外れないためです。
グルコシド基が外れてからでないと、ビタミンCとして働きません。
そのような声もありますが、ほとんどの化粧水はこれが配合されているので一定の効果はあるはずですが、できれば先ほど紹介した他の成分が含まれる化粧水を選びましょう。
化粧品への成分表示は・・・
「アスコルビルグルコシド」
「Lアスコルビン酸2-グルコシド」
「アスコルビン酸グルコシド」
種類によって効果の出るスピードも違う!
ビタミンC誘導体の種類によって肌への浸透率が違うことは分かりましたね。
さらに、誘導体の種類によって効くスピードも異なります。
(種類によって浸透スピードが異なり、肌の中でビタミンCに変換されるまでの時間も異なる。結果、効果の出るスピードが違ってきます。)
なので、数種類のビタミンC誘導体を組み合わせて使い、時間差で効かせ続けるのが上級テクです!
↓効くスピードが速い順に並べました!
速さ★★★★ ピュアビタミンC(アスコルビン酸)
速さ★★★ APPS(パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)
速さ★★ リン酸アスコルビル、アスコルビン酸グルコシド
速さ★ テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、イソパルミチン酸型ビタミンC誘導体
※ピュアビタミンCは誘導体ではありません。水溶性のピュアビタミンCは浸透は早いが壊れやすく、安定して配合するには技術が必要。脂性肌向け。
※イソパルミチン酸型ビタミンC誘導体は、油溶性なのでオイルやクリームに配合されることが多いです。乾燥肌向け。
特に、「APPS」は水溶性と油溶性を併せ持ち、浸透率が従来のものの数十倍もあると注目されている成分です!!
化粧品には、必ず全配合成分が表示されているので、これを参考に化粧水を選んでください。
ローションパックが効果的!
APPSは浸透スピードが速い!と言っても、ビタミンC誘導体は他の美白成分に比べるとゆっくり浸透します。
その為、ビタミンC誘導体の効果を最大限に引き出すなら、5~10分のローションパックで連続的に肌へ送り届けられます。
つっぱり感や乾燥を感じる場合は、精製水で薄めましょう。
もし刺激を感じたり、赤みが出たりしたらその化粧水でのパックは中止しましょう。
例えば、APPSでローションパックをして連続的に肌に送り届け、その後に効くスピードが遅いテトラヘキシルデカン酸アスコルビルのクリームなどを塗ると時間差で効かせ続けられるので完璧ですね♪
高濃度にこだわらなくてOK
高濃度だと刺激を感じることもあります。
APPS(パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)は、0.1~1%
アスコルビン酸グルコシド 、リン酸アスコルビルは、2~5%
テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、イソパルミチン酸型ビタミンC誘導体は、3~10%
の配合率が目安です。
おすすめのビタミンC誘導体化粧品
先ほど紹介した、効果の一番高いビタミンC誘導体 APPS などが配合されている効果の高いビタミンC誘導体化粧品をまとめています。
人気で効果のあるものだけセレクトしているのでご覧ください。
まとめ
■ビタミンC誘導体は、以下の作用があるのでニキビ、美白、シミ、シワ、たるみ、くま、毛穴などに効果がある。
- ・コラーゲンの合成を促す
- ・皮脂を抑える
- ・シミの元となるメラニン色素を作る作業を邪魔する
- ・抗酸化作用
- ・炎症を抑える
■ビタミンC誘導体にはたくさん種類があるが、「APPS(アプレシエ)」が最も効果が高くおすすめ。
■肌への浸透率が高い順に並べると…
- ・APPS(パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)
- ・リン酸アスコルビル
- ・テトラヘキシルデカン酸アスコルビル
- ・アスコルビン酸グルコシド
■効くスピードが速い順に並べると…
- ・APPS(パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)
- ・リン酸アスコルビル、 アスコルビン酸グルコシド
- ・テトラヘキシルデカン酸アスコルビル
組み合わせて効かせ続けるのが上級テク。