仕事のストレス が大きくなると、体にガタが来ますよね。
「仕事を辞めるわけいかないし…」
「どうにかしないと…」
「病院に行くほどでもないから、漢方薬が効くなら試したい。」
と思っている方が多いと思います。
そこで、ストレスに良く処方される漢方薬をまとめました。
漢方薬は複数のストレスの原因に効き、根本的に治してくれます。
また、自然の材料で出来ているので副作用も少ないです。
ストレスに処方される代表的な
漢方薬を8個厳選して紹介します。
どれも市販で買うことができます。
ストレスに漢方薬は効く?
もちろん、うつ病まで進行してしまっている場合は、病院の薬(抗うつ剤など)の方が効きますが、
病院に行くほどでないなら、漢方薬でストレスが改善できます。
病院に行く時間のない人も、市販で買える漢方薬は助かりますね。
まず症状を確認しましょう
症状によっては、漢方薬ではなくサプリが合う場合もあります。
自分がどれに当てはまるか確認してみてください↓
こんな人は漢方薬が合う
心だけでなく体も不調
体質から改善したい
こんな人はサプリが合う
心の症状が主体
気軽に取りたい
こんな人はまず病院へ
うつ病まで進行している
心と体に不調があるなら漢方薬
心だけでなく体にも不調が出てきている人は漢方薬が合います。
もし、体の不調が無く心の症状が主体の方は、サプリの方が合うのでこちらの記事を確認してください↓
また、ハーブティーもストレス解消効果があります↓
体の疲れが主体という人は、こちらの記事で疲労回復サプリをまとめているので参考にしてください↓
漢方薬のストレスへの効果
普通の薬は単一成分
普段、病院で処方される西洋薬は、単一成分で作られているので1つの不調にしか効きません。
例えば、「痛みには痛み止め」「吐き気には吐き気止め」といった1対1の治療になりがちです。
つまり、症状が10個あれば10個薬が必要です。
漢方薬は複合的な効果あり
一方漢方薬は、5~20種類ほどの生薬の組み合わせで作られていて、複合的な効果があります。
例えば、ストレスに使う漢方薬は…
- イライラ、不安を緩和する
- 寝つきを良くする
- 血の巡りを良くする
- ホルモンバランスを整える
など、複数の効果があります。
つまり、さまざまなストレス症状が体に出ていても、1つの漢方薬で十分に対応できます。
1つの漢方薬で複数のストレスの原因に効き、その場しのぎではなく、根本的に解決してくれます。
漢方薬のメリット
漢方薬には、
- 漢方薬は体への負担が少ない
- 薬をやめたときに再発しにくい
といったメリットもあります。
どれくらいの期間で効果が出る?
自分に合っていれば、2週間程度で効果が実感できます。
長くても、2週間で心身に良い変化がなければ合わないと判断しましょう。
通常病院で処方される西洋薬に比べて、効き目が穏やかなことが多いですが、長く飲まないと効かないわけではありません!
例えば、ここで紹介する不眠症に使われる「黄連解毒湯」などは、寝る前に飲むと入眠しやすくなる効果があります。
これは、飲んでから1,2時間での即効性を期待している証拠です。
参考記事↓
ストレスに効く漢方薬の選び方
ストレスに使われる代表的な漢方薬は8つあります。
では、どれが自分に合っているのでしょう?
まず、漢方では心の症状を「気滞」と「気虚」の2つに分けて考えます。
自分がどちらに当てはまるのか見ていきましょう。
気滞とは?
気滞は、比較的体力のある人で、気の流れが滞りイライラがたまった状態。
そんな人には以下の漢方薬がおすすめ↓
気虚とは?
気虚は、気滞がさらに進んで気が低下し気分が落ち込んだ状態。
虚弱体質の人は、気滞を経ずにいきなり気虚になることが多いです。
そんな人には以下の漢方薬がおすすめ↓
自分が「気滞」と「気虚」のどちらに当てはまるか分かりましたか?
自分に当てはまっている方の漢方薬を選びましょう。
それでは、「気滞」→「気虚」の順で、それぞれ詳しく効果を解説していきます。
気滞のストレスに効く漢方薬4選
気滞とは、比較的体力のある人がなりやすく、イライラがたまった状態です。
ちょっとしたストレスですぐカッとなって人に当り散らしたり、不満や文句が多い人、寝つきが悪い人。
そんな人は、気の流れが滞り上半身に上った状態です。のぼせ気味でイライラすることが多いです。
女性の場合は月経前にイライラしやすい人も当てはまります。
以下の4つが気滞のストレスに効く漢方薬です↓
1.黄連解毒湯
(おうれんげどくとう)
クラシエ 黄連解毒湯エキス顆粒
45包(15日分) 2400円
寝付きが悪く不眠気味の人におすすめ(特に熱がこもって寝れない人)
こんな体質の人に合う
比較的体力があり、イライラする傾向がある人に向きます。
- ・比較的体力がある
- ・顔が赤くのぼせ、イライラがある
- ・不眠、動悸、めまいなどの不安感がある
- ・口の中が乾燥する
- ・軟便であまり便秘しない
- ・つかえるような胸苦しさがある
こんな症状に効く
高血圧に伴う症状があるときによく使う漢方薬です。
近年の臨床研究でも血圧自体は下げないものの、高血圧にともなう興奮、不眠、精神不安、のぼせに対して改めて有用性が確かめられています。
睡眠薬ほどではありませんが、就寝前に飲むと速効性があり、眠りが良くなることで体調も改善されていきます。
脳充血によるのぼせ、精神不安、不眠に効果があり、普通の睡眠剤が効かない人も試してみましょう。一日1回寝る前に飲むようにします。
不眠以外には、ストレスによる動悸や胃炎にも効果があります。
また、イライラすると悪化しやすい皮膚のかゆみの改善にも使うことがあります。
以下のような症状にも使われ、上半身に熱がこもることによって起きる、のぼせや充血、炎症に対して、消炎、鎮痛、止血作用があります。
- ・吐血
- ・高血圧
- ・動悸
- ・ノイローゼ
- ・神経症
配合されている生薬
- ・黄連、黄ごん、黄柏、山梔子
※同じく熱がこもって寝れないタイプでも、体力があって便秘(硬便)する人は、「三黄瀉心湯」を使います。精神不安や不眠症に効きます。
2.柴胡加竜骨牡蛎湯
(さいこかりゅうこつばれいとう)
クラシエ柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒
24包(8日分) 1573円
こんな体質の人に合う
- ・比較的体力のある人
- ・驚きやすい
- ・怒りっぽく落ち着きがない
- ・血圧高め
- ・おへその上に動悸がふれる
- ・便秘がち
といった、がっしりした体系だが案外気が小さいといったタイプの人によく使われる漢方です。
こんな症状に効く
漢方の精神安定剤と言われる漢方薬です。
寝つきが悪く良く夢を見る、驚いて飛び起きてしまう、胸や脇が重苦しい、といった不眠に効果があります。
女性の場合は、月経関連の不調が無い人のイライラに効きます。
不眠の他には
- ・高血圧
- ・神経衰弱症
- ・てんかん
- ・ヒステリー
- ・更年期神経症
- ・神経症
などに処方されます。
※お通じを良くする大黄が配合されているので、虚弱な人が飲むと下痢する場合があります。
配合されている生薬
柴胡、黄ごん
(胸部をひらく作用)
竜骨、牡蛎
(鎮静作用)
茯苓、半夏
(利尿作用で胃内の水分を取り、動悸を治す)
桂皮
(のぼせを治す)
その他…大黄、 半夏、 人参、 生姜 、大棗
※同じように、よく夢をみる不眠、神経過敏などの症状があるが、体力虚弱で、腹壁に力が無く、おへその下に動悸がふれ、下腹部の腹直筋が緊張している場合は「桂枝加竜骨牡蛎湯」を使います。
3.加味逍遥散
(かみしょうようさん)
クラシエ 加味逍遙散エキス顆粒
45包(15日分) 2500円
怒りを抑えきれずに椅子をけとばしたり、ヒステリックになってしまう人におすすめ
こんな体質の人に合う
- ・疲れやすい
- ・手足がだるい
- ・肩こり、頭痛、めまいがある
- ・不眠、イライラがある
- ・カーッとして上半身が熱い
- ・月経前にイライラしやすい、生理の周期が不定期
こんな症状に効く
婦人科の三大漢方薬の一つ。
血の不足を補い、神経の高ぶりを落ち着かせる 効果があり、女性の自律神経失調症に広く使われます。
「逍遥」という言葉には「自由、気まま」という意味があり、ストレスから解き放してあげようという考えがこめられた漢方です。
女性特有の症状によく使われます。
- ・月経異常
- ・更年期障害
- ・イライラ、不安
- ・ストレスによるアトピーの悪化
などに使われます。
全体として、虚弱体質の肝障害と、特に女性の神経症状を伴う諸疾患を治します。
配合されている生薬
柴胡
(解熱、胸や脇の圧迫感を治す)
当帰、芍薬
(補血作用)
蒼朮、茯苓、甘草、生姜、薄荷
(健胃作用)
山梔子
(清熱、消炎)
牡丹皮
(消炎、血の流れの滞りを取る)
※ 加味逍遥散は、「逍遥散」に山梔子と牡丹皮を加えたものですが、「逍遥散」よりよく使われています。
他の漢方薬との併用
「桂枝茯苓丸」、「当帰芍薬散」で胃腸障害を起こす人に、「加味逍遥散」に「小柴胡湯」または「黄連解毒湯」を併せて処方します。
4.桃核承気湯
(とうかくじょうきとう)
クラシエ 桃核承気湯エキス顆粒
45包(15日分) 2200円
主に女性。月経時のイライラ・精神不安がある人におすすめ
こんな体質の人に合う
- ・体格が良く筋肉質
- ・便秘がち
- ・頭痛とのぼせがある
- ・腰や足が冷えて月経異常がある
- ・左の下腹部に特有の圧痛がある
こんな症状に効く
血の流れが滞って起きる瘀血を改善させる漢方薬。
月経時や産後の精神不安に効果があります。
その他には、
- ・月経不順
- ・月経痛
- ・高血圧
- ・更年期障害
- ・ヒステリー
などに使われます。
配合されている生薬
- ・大黄、 芒硝、桃仁、桂皮、 甘草
気虚のストレスに効く漢方薬4選
気虚とは、「気滞」が進んで怒る気力さえなくなり、うつうつした状態です。
虚弱体質の人は、気滞を経ずにいきなり気虚になる場合が多いです。
「気虚」に向く漢方薬は、どれも睡眠を改善する効果があります。
以下の4つが気虚のストレスに効く漢方薬です↓
1.半夏厚朴湯
(はんげこうぼくとう)
ツムラ半夏厚朴湯エキス顆粒
20包(10日分) 2400円
のどに何か詰まったような異物感があり、気持ちがすっきりしない、うつうつする人におすすめ
こんな体質の人に合う
- ・精神不安で訴えが多い
- ・胃腸虚弱
- ・喉から胸(咽頭、食道あたり)に何かつかえている感じがする
- ・食欲不振
- ・悪心嘔吐
- ・頻尿
- ・むくみ
- ・めまい・頭痛・動悸・吐き気
こんな症状に効く
漢方の気鬱を治す精神安定剤です。
のどの異物感は、気が詰まって出来たもので、首がやたらに凝ったり、うなじだけに汗をかいたりします。
飲み物を飲もうとしても、なんとなく飲み込めない感じがしたり、ドキドキして不安感が強い場合に効きます。
体質が虚弱で、胃腸症状のある不安神経症に用います。
不安神経症の他には、
- ・神経性胃炎
- ・不眠症
- ・つわり
- ・恐怖症
- ・更年期神経症
- ・喘息
- ・むくみ
- ・ノイローゼ
などに使われます。
配合されている生薬
半夏
(胃腸機能賦活、鎮嘔、鎮吐、胃内停水を取る)
厚朴
(抗うつ、鎮吐)
紫蘇葉
(気欝を開き胃腸機能亢進)
茯苓
(胃内停水をとり半夏に協力する)
生姜
(胃内を温め鎮吐)
2.加味帰脾湯
(かみきひとう)
クラシエ加味帰脾湯エキス顆粒
24包(8日分) 1600円
半夏厚朴湯が向く人よりさらに気力が低下していて、疲れやすく元気が無い人におすすめ
こんな体質の人に合う
- ・虚弱体質
- ・血色が悪く貧血気味
- ・顔面蒼白
- ・不眠・動悸・精神不安がある
- ・微熱が出たり、盗汗をかく
こんな症状に効く
上記の体質に当てはまる人で、夢が多く眠りが浅い不眠にも効果があります。
貧血や不眠症、精神不安、神経症、神経衰弱に効果のある漢方薬です。
配合されている生薬
人参、 蒼朮または白朮 、茯苓、 甘草、 生姜、 大棗
(弱った消化器を治す)
酸棗仁、竜眼、遠志
(鎮静、強壮)
黄耆
(強壮、止汗)
当帰
(補血)
木香
(気分発散)
柴胡、 梔子
(解熱、消炎)
3.抑肝散加陳皮半夏
(よくかんさんかちんぴはんげ)
抑肝散加陳皮半夏エキス細粒/クラシエ
24包(8日分) 2180円
もともと体力がないのに、気力だけで頑張ってきた負けず嫌いの人が「もうダメだ」と感じた場合に合います。主に中年以降の人。
こんな体質の人に合う
- ・主に中年以降の人
- ・不眠、恐怖症
- ・怒りやすくせっかちなどの神経興奮症状が著しい
- ・体力が衰え皮膚が枯燥している
- ・おへその左から水おちにかけて動悸がする
こんな症状に効く
気力だけでがんばってきて疲れがたまり、イライラしやすい人の気力を立て直して元気を取り戻してくれます。
高血圧または動脈硬化による神経症、ヒステリー、不眠症に効果があります。
その他には、
- ・更年期障害
- ・小児夜泣き
- ・疲労症
- ・自律神経失調症
などに使われます。
配合されている生薬
- ・柴胡、釣藤鈎、 蒼朮、 茯苓、当帰、川きゅう、陳皮、半夏、甘草
4.酸棗仁湯
(さんそうにんとう)
酸棗仁湯エキス細粒/サンワ
30包(10日分) 2054円
疲れきって、神経が過敏になり、疲れているのによく夢を見たりして眠れない人におすすめ
こんな体質の人に合う
- ・もともと体力が無い
- ・体力が衰え胸苦しい
- ・心身が疲れ弱っているのにかえって眠れない
- ・つまらないことが気にかかってクヨクヨする
こんな症状に効く
漢方の処方で不眠にもっとも有効とされている漢方薬です。
特に、虚弱な人の不眠に最もよく使われ、高齢者の虚弱者不眠にも効果的。
イライラして眠れないのではなく、心身疲れきって神経過敏による不眠に特に向きます。
たとえば、覚醒と睡眠のリズムが乱れて、眠りが浅い、夢を多く見る、熟睡感がないといったような不眠のタイプです。
※下痢の傾向のある方は慎重に飲みましょう。
その他には、
- ・不安神経症
- ・心臓神経症
- ・自律神経失調症
- ・めまい
- ・盗汗
に使われます。
配合されている生薬
酸棗仁、知母、茯苓
(気を鎮める)
川きゅう、甘草
複数の漢方薬の併用
『ストレスを和らげるために、一気にいくつか飲みたい!』
と思う方もいると思います。
でも、漢方はいろいろな症状があっても1種類の漢方で治療するのが基本です。
漢方の併用で特に注意が必要なのが、「甘草」が重ならないかです。
- 甘草は、漢方薬の材料の生薬の一つで、約7割 の漢方薬に含まれます。
- ここで紹介した漢方薬にも 8個中5個 に含まれます。
甘草が重なり合って多くなると、
- ・むくみ
- ・血圧上昇
などの副作用が出るので注意しましょう。
西洋薬と漢方薬の併用
※ 西洋薬とは、病院で普段処方される薬のこと。
西洋薬と漢方薬は、基本的には併用して 問題ない です。
気になるとすれば…
反対の効果をもつ西洋薬と漢方薬を併用すると、効果を相殺 してしまいます。
例えば、この2つを併用すると、効果が相殺されて飲む意味がありません。
- ・熱を下げる 西洋薬
- ・体温を上げる 漢方薬
これは、自分で判断するのは難しいので病院で確認しましょう。
もし、併用する場合は、少し時間を空けて飲む と安心です。
例えば、食前に漢方薬を飲んで、食後に西洋薬を飲むと良いでしょう。
購入するには
さて、ここで紹介した漢方薬はどこで買えばいいのでしょう?
- 紹介した8つの漢方薬は、全て病院処方可能です。
(病院で処方してもらえば、健康保険適用され、市販より安く漢方が買えます) - 市販でも買えますが、医療用より有効成分の量が少なめの場合が多いです。
なので、病院処方がおすすめです。
また、日本東洋医学会のホームページで学会認定の漢方専門医を探せます。
時間がない方などは、まずは市販で試すのも良いと思います。
漢方薬の副作用
漢方薬はなんとなく体にやさしいというイメージを持っている方が多いと思います。
でも、漢方薬でも副作用やアレルギーが出ることがあります。
副作用は、
- 各漢方薬で起こる可能性のある副作用の症状を知っておく
- 併用に注意する
(特に前述の甘草の重複に注意) - 「証」に合った漢方薬か確認する
といったことで回避できるので、確認してください。
こちらの記事で、副作用の症状と回避方法を解説しています↓
まとめ
ストレスへの漢方の効果
漢方薬は5~20種類ほどの生薬の組み合わせで作られているので、1つの漢方薬で複数のストレスの症状に効く。
たとえば、このような効果があります。
- ・寝つきを良くする
- ・精神を安定させる
- ・神経の高ぶりを落ち着かせる
- ・血流を良くする
- ・弱った消化器を治す
- ・胃を健康に保つ
- ・胸の圧迫感を治す
飲む期間
2週間飲んで心身に良い変化がなければ合わないと判断します。
不眠に使う「黄連解毒湯」などは、寝る前に飲むと入眠しやすくなります。
紹介した漢方薬をおさらいします。
どれが自分の症状に合うか検討してみてください。
体力のある人で、イライラがたまっている場合
体力がある人で、イライラが進んで気分が落ち込んだ場合
または、体力が無い人で、気分が落ち込んだ場合↓
自分に合いそうな漢方薬は見つかりましたか?
ストレスが溜まっているからといって病院に行くのはなかなか勇気がいりますよね。
病院に行くほどでないなら市販で手に入り、体への負担も少ない漢方薬をぜひ試してみてください。
参考になりましたら幸いです。