漢方薬 を飲み始めて、

効果が出るまでどれくらいかかる?

長く飲まないと効かない?

いつまで飲めば良い?

と気になっている人が多いと思います。

そこで、効果が出るまでの具体的な日数 を実際の例を挙げて紹介します。

目次

長く飲まないと効かない?

漢方薬は、

『自然の材料 で出来ているので、作用がおだやか。』

『だから、長い間飲まないと効果がない 』

と、思っている方が多いでしょう。


確かに、少しずつ 効き目が現れて 調子が良くなるため、慢性の病気 に使われることが多いです。

でも、漢方薬はすべてがゆっくりでおだやかなわけではなく、

急性の病気にも効果を発揮します。

つまり・・・

急性の病気にも使われるほど早く効く漢方薬もあるということです。

では、実際 どれくらいで効果があるのか見ていきましょう。

漢方薬の効果が出るまでの期間

先ほど説明したように、漢方は 急性の病気にも力を発揮 します。

実際、風邪 や 腹痛 のときに、漢方がすぐ効いた経験がある方もいるでしょう。

具体的には…


風邪に使われる漢方薬

  • 桂枝湯(けいしとう)
  • 麻黄湯(まおうとう)
  • 葛根湯(かっこんとう)

などは、西洋薬より早く効く ことがあります。

その理由は、発刊を促進し、患者自身の自然治癒力を高めて治癒を早める作用があるからです。

漢方薬効果期間

△ 風邪に使う漢方(解熱や解毒)。速効性あり。


その裏付けとして…

中国の医学書 『傷寒論(しょうかんろん)』 に、 汗が出たらすぐ服用をやめる。もし汗が出なければ汗が出るまで3~4時間に1回ずつ続けて飲ませる と記載があります。

これは、 即効性の効果 を期待した証拠です。


さらに…

以下の 2つ の インフルエンザへの効果 を調べた最近の研究結果があります。

漢方薬 の 麻黄湯(まおうとう)

西洋薬 の 抗ウイルス薬「オセルタミビル」

その結果は…

両者の解熱と全身症状の消失までの 時間に差は無かった と報告されています。

つまり・・・、普通の薬と同じくらい早く効く漢方薬もあるということ。


また、不眠症に使われる「黄連解毒湯」は、1日1回寝る前に飲むと入眠しやすくなる効果があります。

これは、飲んでから1、2時間での即効性を期待している証拠です。

漢方効果期間 不眠 黄連解毒湯

△ 寝つきを良くする即効性のある漢方薬。

寝つきを良くする漢方に興味がある方は、こちら↓で紹介している漢方の多くが該当するので参照してください。

関連記事:症状別:ストレスに効く市販の漢方薬8選


他にも…

花粉症に使う 小青竜湯(しょうせいりゅうとう) は、飲んだらぴたっと鼻水が止まった。

こむらがえりに使う 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう) を飲んだら数分で治った。

など、漢方薬の即効性の例は多くあります。

漢方薬効果期間

△ 花粉症やこむら返りに使う速効性のある漢方


もちろん、即効性のある漢方薬だけ ではありません。

例えば…

ニキビの漢方治療の場合は、2~4週間の服用 で、何らかの効果が見えることが多いです。

逆に言うと、1ヶ月飲んで効果が見えなければ、他の漢方薬に変えた方が良いです。

漢方薬効果期間

△ ニキビの治療に使う漢方の一部。最低でも2週間以上かかる。

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また、 ストレスや欝や不眠に使う漢方薬は、体に合っていれば数日で効果が実感できます。

長くても2週間で心身に良い変化が無ければ合わないと判断します。

漢方薬効果期間 ストレスに効く漢方

△ ストレス軽減、不眠症などに使う漢方薬の一部。2週間以内に効果が実感できる。

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つまり、漢方の性質によって効果が出るまでの期間が違います。

詳しく説明します。

漢方薬の性質による期間の差

先ほど説明したように、漢方と一口に言っても、

  • ゆっくり 効く漢方
  • すばやく 効く漢方

の2種類 あります。

その違いは… 漢方の性質 にあり、


補剤 の漢方薬は、ゆっくり効きます。

瀉剤(しゃざい) の漢方薬は、すばやく効きます。


以下でそれぞれ具体的に説明します。

【1】 補剤の漢方薬

補剤とは、 補うことで治癒に結びつく漢方薬 です。


① 効き目の現れ方

  • ・ゆっくり効く

② 特徴

  • 体質改善慢性病 の治療に使います。
  • ・最低でも 2週間以上 の服用が必要。

③ 代表的な漢方薬

  • ・補中益気湯
  • ・六君子湯
  • ・八味地黄丸
    など

【2】 瀉剤の漢方薬

瀉剤とは、 取り除くことで治癒に結びつく 漢方薬です。


① 効き目の現れ方

  • ・すばやく効く

② 特徴

  • ・速効性で 急性の病気 に短期間使います。
  • ・長く使い続けるとかえって 副作用 が現れることもある。

関連記事:漢方薬の副作用|具体的な症状と4つの回避方法

③ 代表的な漢方薬

  • ・麻黄湯
  • ・葛根湯
  • ・桂枝湯
  • ・大承気湯
    など

漢方薬の種類によって、効果が出るまでの期間が変わってくるんですね。

ちなみに、普段病院で処方される 西洋薬 は 瀉剤 ということですね。

補剤 は 漢方独特の考え方 なんです。

漢方薬の形状による期間の差

さて、

補剤 と 瀉剤 の性質の違い によって、効果がでるまでの時間が変わる

ということは理解できましたね。

さらに、漢方薬の形状 によっても効果が出るまでの時間が変わります。

具体的には、


急性の病気には、煎じ液の 湯剤(とうざい)

進行がやや遅い病気には、粉末の 散剤(さんざい)

非常に進行が遅い病気には、固形の 丸剤(かんざい)

を使います。

漢方薬効果期間

このことは貝原益軒の 『養生訓』 にも記述があります。


その為、市販の漢方薬を自分で選ぶ際には、できるだけ 固形の 「錠剤」 より 粉末の 「顆粒剤」 を選ぶのがおすすめです。

特に、速効性が期待できる 風邪に使う漢方薬 (葛根湯など) は、顆粒剤 がいいですね。

長期間飲む場合も

風邪や腹痛に使う 速効性が期待できる漢方(瀉剤) は、

  • ・「治ったらやめる」

という考え方です。

しかし、

慢性病に使う漢方薬(補剤) は、

効果が現れたらすぐに服用終了 ではありません。

かなり良くなってからも、2~3ヶ月ほど 飲み続けるよう病院で指示 されることもあります。

例えば、ニキビのために飲んでいた漢方薬の作用で、生理不順や冷え性がよくなったり、他の効果が現れることがあります。
その場合は、そちらも治すために 長期服用 します。


つまり、西洋薬は 治ったらすぐに薬はやめるもの ですが、

漢方(速効性のある物を除く)は、 体質からきちんと治して再発させない という考えのため、効果が現れてからも飲み続ける場合が多いです。

まとめ

すべての漢方薬がゆっくり効くわけではなく、すぐ効く漢方薬もある。

風邪や腹痛などに使われる 「取り除く働き」 をする漢方薬は、すぐに効果が現れる

不妊治療 や ニキビ などで 体質改善に使われる 「補う働き」 をする漢方薬はゆっくり効果現れる

「錠剤」 よりも 「顆粒剤」 のほうが速く効く。

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