「足の裏になにかできてしまった…」
「これって一体何!? 魚の目?タコ?」
「どうしたら治る?」
と不安になりますよね。
足によくできるものは、「魚の目」、「タコ」、「イボ」です。
ここでは、
・魚の目・タコ・イボの見分け方
・自宅での治し方
・なぜ出来てしまったのか?
・どうすれば再発しないのか?
を分かりやすく説明します。
芯があれば魚の目!
まずはじめに、魚の目とタコは、「芯の有無」によって見分けることができます。
魚の目もタコも、足の皮膚が硬くなったものですが、
- 魚の目は、名前の通り目の形に似て、真ん中に「芯」のようなものがあるのが特徴です。
- 一方、タコには芯が無く、黄色みを帯びて盛り上がった状態です。
魚の目は、皮膚の内側に向かってくさび形の「点」となり芯ができます。
それに対して、タコは比較的広い「面」となり外側に向かって厚くなっています。
粒状のボコボコはイボの可能性
また、魚の目やタコだと思っていたら、実はウィルス性のイボだったということもあります。
イボは、茶色の粒状にボコボコ(表面に茶色の斑点)があったり、表面がザラザラした小さなしこり状になっているのが特徴です。
イボはウイルスに感染して起きるもので、魚の目・タコと全くの別物です。
下図のようにノコギリ状の増殖するので、自分で削ると表皮を傷つけやすく、出血して痛いです。
また、イボが出来ると、他の場所に出来ているタコ内に感染する場合もあり(肌バリアが低下しているので感染しやすい)、厄介です。
イボの疑いがあるなら、自宅治療はできないので皮膚科に行きましょう。
魚の目
タコ
イボ
できる場所の違い
魚の目とタコはできる場所も異なります。
魚の目とタコは、足の皮膚が増殖し、硬く厚くなったものです。
その角質の増殖が硬い骨の上にできるものが「タコ」で、骨と骨の間のような軟らかいところにできるものが「魚の目」です。
タコは下に骨があるので外側に向かって厚く増殖し、魚の目は骨と骨の間を内側に向かって食い込むように増殖していきます。
タコができる場所
このように、多くは足の裏で、親指の付け根や、小指の付け根などの骨の上にできます。
足のくるぶしにも長時間正座をすると座りだこができることもあります。
魚の目ができる場所
骨と骨の間や関節のくぼみなど、奥に食い込みやすい場所にできます。
このように、足の裏の指の付け根の間や、足の甲の指部分によくできます。
指の上や足の裏にできる硬い魚の目と、指の間など汗で湿った場所にできる白くてやわらかい軟性の魚の目があります。
ほとんどが今紹介した箇所にできますが、魚の目もタコも靴に当たる部分や圧迫される部分ならどににでもできます。
強い痛みがあれば魚の目!
魚の目とタコは、「芯の有無」 と「できる場所」で見分けられますが、痛みにも違いがあります。
タコは表面だけが厚くなるので、痛みはあっても軽いもので、むしろ感覚が鈍くなっている感じです。
ただ、長時間歩いた時などは炎症によって熱く焼けるような痛みを感じることがあります。
一方魚の目は、深い方にトゲのように尖って硬くなり芯ができます。
芯の周囲の硬くなっているところはあまり痛みませんが、芯の部分は神経のある層まで達するので、外部からの刺激を受けると飛び上がるほど痛みが強いです。
魚の目とタコの原因
圧迫や摩擦によってできる
前述で説明したように、足の指や付け根あたりの皮膚が増殖して厚く硬くなったものが、魚の目・タコです。
足に変形があったり、合わない靴を履いたりして、同じところが長時間圧迫されて摩擦を受けていると、皮膚はその刺激に対して防御反応を起こします。
具体的には、表皮の一番外側の角質層がケラチンというたんぱく質を余分に作り出し、圧迫や摩擦を受けているところを厚く覆って守ろうとするのです。
その角質が骨と骨の間のようなやわらかいところにできるのが魚の目で、硬い骨の上にできるものがタコです。
つまり、魚の目・タコのどちらも「圧迫や摩擦による皮膚の防御反応」ですが、できる場所によって「形状」が違うだけです。
防御反応で皮膚が通常より厚く硬くなったものなので、水虫のように菌による感染症ではなく、人にうつりません。
圧迫や摩擦の原因は足の変形
魚の目やタコは、「圧迫や摩擦による皮膚の防御反応」によってできることは分かりましたね。
では、なぜ圧迫や摩擦が起こるのでしょう?
圧迫や摩擦は、多くの場合、「足の変形」で起こります。
具体的には、外反母趾、開張足、ハンマートゥなどの足の骨の変形です。
外反母趾
開張足
ハンマートゥ
これらの変形があると、地面から受ける圧力が過度に加わりやすくなったり、同じところが靴に圧迫されたりこすれたり押されたりします。
それが原因で魚の目やタコができるのです。
歩き方の癖、合わない靴も原因の一つ
例えば、足先の細い靴による指との摩擦や、ヒールやミュールを履いて足が前に動くことによる摩擦によってもできます。
特に、いつもハイヒールを履いている人は足の裏にタコができやすいです。
ハイヒールをやめない限りタコが治らないどころか外反母趾になってしまい、魚の目やタコが出来やすい形に変形してしまいます。
魚の目やタコは足のSOS!
このように、魚の目やタコは、足のバランスが崩れて、ゆがみが生じていることを発信する「SOS」です。
つい、悪いところだけに目を向けがちですが、魚の目やタコの症状だけを治すのではなく、
足のSOSのサインを受け止めて、その原因を改善しない限りいつまでたっても魚の目やタコを繰り返すことになります。
原因が分かれば、改善・予防ができます!
それでは、あなたの魚の目・タコの原因は何なのか見ていきましょう。
原因はできた場所で分かる
魚の目やタコは、できる場所によってある程度原因となっている足のトラブルを推測できます。
その対策が根本治療になるので、こちらの図でチェックしてみてください。
タコの原因MAP
親指やその付け根にできるタコは、外反母趾の疑いがあります。
小指の付け根にできるタコは、内反小趾の疑いがあります。
真ん中あたりの指の付け根にできるタコは、開張足の疑いがあります。
小指の付け根よりさらに下にできるタコは、かかとの変形の疑いがあります。
魚の目の原因MAP
足裏にできた魚の目は、浮き足、開張足の疑いがあります。
足の指の上にできた魚の目は、ハンマートゥ、靴擦れ、内反小趾の疑いがあります。
特に女性に多い原因は開張足
女性に多く見られるのは、足の前方中心部にできる魚の目・タコです。
この場合は、足の横アーチが低下した「開張足」が原因のため、なかなか治りにくい傾向があります。
魚の目とタコの治し方
※注意
糖尿病の方は症状が軽い場合でも必ず病院で受診してください。足の感覚が鈍くなっている場合があり、軽いと思って放置したり、削って細菌が入って潰瘍や壊疽を発症することが多いです。この後の説明は糖尿病ではない人の治療法です。
自然に治す方法
保護パッド
あまり痛みがない初期段階なら、市販の魚の目・タコ用の「保護パッド」を貼ります。
保護パッドは、靴による圧迫や摩擦を防いでくれるので、初期段階の軽い症状であればしばらくすると自然に治ります。
ドクターショール保護パッド 346円
指の間にできた魚の目には、5本指ソックスも刺激軽減に効果的です。
ちなみに、タコは魚の目に比べてできにくいのですが、そのぶん治るのにも魚の目より時間がかかります。
また、なかなか治らない場合、冒頭で紹介したようにウイルス性のイボの可能性もあるので頭に入れておいてください。
自分で芯を取る方法
痛みがある場合や早く治したい場合は、魚の目の芯やタコを自宅で簡単に除去できます。
魚の目は芯を残しておくと、また悪化しやすいので、前項で紹介した保護パッドで様子を見るよりもここで紹介する方法で芯を取り除くことをおすすめします。
意外と簡単です。
大きく深い魚の目は病院で取ってもらいましょう!
魚の目
市販の「スピール膏」で、芯を柔らかくして痛み無く芯が取れます。
スピール膏は、サリチル酸という成分を使ったばんそうこうで、硬くなった角質を柔らかくする作用があります。
2~5日くらいスピール膏を貼るとスルッと芯が取れます。
1~2mmくらいの魚の目に使いました。
薬局で売っている「スピール膏ワンタッチEX」を使いました。
使い方は、まず、魚の目の大きさに合わせて保護シートを貼ります。
次に、ゼリー状の薬剤がついたパッドを乗せます。(緑の部分が薬剤)
合体します。
その上から保護シートを貼って、ずれないようにします。
そのまま2日放置。そのままお風呂も入れます。 2日後剥がすと、芯が浮いてきました。
また新しい薬を貼りなおし、さらに2日放置しました。すると、皮が柔らかくなってボロボロとれてきました。
柔らかくなった芯の部分をピンセットで取ります。爪きりで挟んでもいいです。すると、全く痛みなく芯が取れました!
大きく深い魚の目以外は、まずは、スピール膏で芯を取ると悪化を防げますね。800円ほどで薬局で買えます。
ただ、残念ながら芯を取ってもすぐ再発する人が多いです。
芯を除去した後に、保護パッドを貼って再発防止をしたり、再発しかけたら芯の周りの硬い角質を専用カッター、ヤスリで削ったり、ホームケアを続けている人がほとんどです。
次に紹介する再発防止グッズも参考にしてみてください。
魚の目・角質カッター
皮膚科でも使われている「コーンカッター」と呼ばれる専用カッターで、痛くなく安全に削れます。
再発して毎回芯を取るのは大変なので、魚の目ができかけたらすぐに角質を削って悪化しないようにしたり、痛みを和らげる目的で使っている人が多いです。
魚の目・角質削り 1366円
芯の深い部分までは削れませんが、薬液シールや外科で芯を切り取ってもらっても再発して結局もとに戻る。これでどんどん削ってしまったほうが、すっごく楽です。足の痛みも軽減しました。(Amazonレビュー)
魚の目ですが、削りやすく、次第に核の部分もなくなってきています。(Amazonレビュー)
足用角質やすり
タコや魚の目は、どちらも角質が増殖して硬くなったものです。
日ごろから保湿をして水分を補ったり、硬くなった角質をヤスリで削るケアをしていれば皮膚を軟らかくキープできます。
このようなヤスリは、こするだけで足裏全体を柔らかく保てるので、再発防止になります。
魚の目は芯が取れても再発して、芯周辺の硬くなった角質に痛みがありました。こすったらきめ細かなパウダー状態に角質が取れ、ツルツルに。痛みが和らぎました。(Amazonレビュー)
プロもご用達のロングセラーやすりで、軽くて握りやすく耐久性に優れています。粗面と細面の両面タイプ。
魚の目の直し方のポイントは…
- まず、「スピール膏」で芯をしっかり取る。
- そして、再発しないように(再発しても悪化しないように)「保護パッド」や「カッター・ヤスリ」を使う。
タコ
タコも魚の目と同じように市販の「スピール膏」で皮膚を柔らかくして、柔らかくなった部分をピンセットで取り除けばなくなります。
また、タコは魚の目と違って皮膚の内側に食い込んでいないので、スピール膏を使わなくても自分で削り取れます。
ただし、カッターナイフやかみそりは不衛生で皮膚を傷つける心配があるので、前述で紹介した専用カッター、ヤスリを使います。
病院での治療
魚の目やタコがなかなか治らない場合や、イボの疑いがある場合は、皮膚科へ行きましょう。
特に、痛くて歩けないような魚の目なら病院で切除してもらいましょう。
タコ
コーンカッター(専用カッター)やグラインダー(研削盤)で削ります。
コーンカッター
グラインダー
魚の目
医師が芯を円錐形に切除します。ほとんど痛みはありません。
硬い場合は、スピール膏が処方され、角質を柔らかくしてから削ります。
大きくて深さのある場合は、「スピール膏で柔らかくする → 削る」を何度か繰り返します。
イボ
-200℃の液体窒素を含ませた綿棒でイボを急激に冷やして冷凍凝固させ、少しずつ取り除くので複数回の通院が必要です。
液体窒素が効かないときはレーザー療法や薬剤を用いた除去法で治療することもあります。
大きなイボは手術で切除する場合もあります。
魚の目とタコの予防法
魚の目やタコは削り取れば、一時的に痛みは治まりますが、同じ場所が圧迫されていれば除去しても2週間くらいで再発することも良くあります。
靴を脱いだとき、指やその付け根あたりが、赤く腫れたり硬くなっていたら魚の目・タコ予備軍です。
「なぜ魚の目やタコができたのか」
その根本的な原因を突き止めてそれを改善していくことが予防になります。
足に合わない靴が原因の場合
靴の選び方を見直しましょう。
足の疲れをケアしたり、歩行をサポートする機能をもっているコンフォートシューズもおすすめです。
コンフォートシューズは、心地よさと足の機能を研究して作られた靴のことで、甲の部分が保持され、靴底の部分が足のアーチ構造になっています。
このような、紐で結ぶレースシューズタイプやベルト付きタイプなどがあります。↓
仕事柄パンプスを履かないといけない、という方は、こちらの記事を参考にしてください。↓
開張足、浮き指、外反母趾などが背景にある場合
この場合は、それぞれに応じた対応が必要です。
インソール(中敷)も有効です
症状にあわせてインソールを使えば、圧力がかかる部分の負担を軽くしてくれます。
また、インソールを使い続けることで正しい歩行に導くなどの効果があります。
インソールには既製品とオーダーメイドのものがあります。
既製品は症状に応じて、「外反母趾用」「開張足用」などさまざまな種類のものが市販されているので、
何の為にインソールを使うのか目的をはっきりさせてそれに合ったものを使いましょう。
まとめ
見分け方①
芯があって痛ければ「魚の目」
芯が無くて黄色みを帯びて盛り上がっているなら「タコ」
痛みはあまりありません。
茶色の粒状のボコボコは「イボ」
見分け方②
骨と骨の間や間接のくぼみにできていれば「魚の目」
骨の上にできていれば「タコ」
原因
足の変形や、合わない靴、歩き方の癖によって、特定の場所に圧迫や摩擦を受けるのが原因。
治し方
保護パッドなどを貼り、摩擦を防ぐ。刺激がなくなればタコ・魚の目は自然に消える。
もしくは、市販のスピール膏で魚の目の芯やタコを除去する。痛い場合や早く治したい場合は病院へ。
予防
外反母趾、開張足、ハンマートゥなどの根本的な原因を突き止めて、それを改善していく。
おおもとの原因を治さないと、魚の目・タコを繰り返すことになる。
靴の選び方を見直す。